2006/7/21更新
とは
       
初代 EXPERT II XVI Compact XVI X68030

X68000とは、シャープが1987年に発売した16ビットパソコンです。
ただしパソコンではなく「パーソナル・ワークステーション」と名乗っていました。

まだWindowsなど存在しない時代、パソコンは各社独自の規格で、さまざまな特色を出し販売しておりました。
X68000は、それまでのシャープのパソコン「X1」シリーズの後継(互換性はない)で、当時の主流だったNECのPC-88/PC-98と比較して、PC-88が640x400ドット8色/PC-98が640x400ドット16色の時代に、1024x1024ドット65535色を表現し、PC-88/PC-98FM音源4和音の時代に、ヤマハのFM音源8和音+AD-PCMを奏でるといった、圧倒的なグラフィック/サウンド機能を誇っており、その機能を利用したアーケードゲームの完全移植や、アーケードゲームさながらのゲームが数多く発売されました。
特に、初代のX68000に付いてきた、アーケード完全移植の「グラディウス」の出来栄えには誰もが驚きの声をあげました。
ただディスプレイとセットで、40万〜60万円もするこのパソコンは、ゲーム好きの子供には到底手は届かず「夢のファミコン」「最も高価なファミコン」とも呼ばれていました。

それ故、より広範囲な応用を目的とする一般的なユーザーに評価されることはなく、主にゲームマニア向けの高級ゲーム機として捉えられていました。また後継機も長らく処理能力の向上が無く、Pentium(64ビット)など最新のCPUを積むPC-98などを横目に16ビットCPUマシンを出し続けました。
一応、末期に「X68030」という32ビットマシンも発売されましたが時すでに遅し。Windows時代の到来と共に時代の流れから廃れていったのです。
一部のユーザーに愛された、独自性が高い、非常に特殊なコンピューターであったのです。

ただゲーム以外での貢献も大きく、高性能を活かし日本製初のGUIを取り入れたウインドウシステム(ビジュアルシェル)を世に送り出しております。
ビジュアルシェルは後により洗練され、直接関係はないですが今のWindowsの原型ともいえる「SX-Window」に進化を遂げました。

X68000という名前は、モトローラ社の68000CPUから由来します。(ちなみにセガ・メガドライブと同じCPUです。)
ただ、初代から「SUPER」までは、日立製の互換CPU「HD68HC000」を積んでいました。
「XVI(エクスィヴィ)」以降はモトローラ社製の「MC68000」が使用され、「X68030」では「MC68030」が使用されました。

今回再利用するケース(筐体)は、「マンハッタンシェイプ」と称するプラスチック製の左右分割ツインタワー型デザインとなっており、右側にはマザーボードと、拡張I/Oスロットを2基搭載して、左側にオートイジェクトが可能な5.25インチ2HD対応のFDD2機を搭載しております。また2つのタワーの間には持ちやすいように、ポップアップハンドルが付いておりました。

「マンハッタンシェイプ」という名前は、911同時爆破テロの標的になった、アメリカ合衆国・ニューヨーク州のマンハッタン島に建造されていた、今は無きあの世界貿易センタービルのツインタワーの景観を連想させる事から名付けられました。

このデザインは初代から、ACE、EXPERT、EXPERTII、SUPER、XVI、X68030に受け継がれ(XVI、X68030は若干デザインが変更。)、当時では珍しいタワー型(しかも今でも珍しいツインタワー)は、グッドデザイン賞を数多く受賞し、今でも高い評価を得ております。
ちなみにシングルタワーの「Compact」、横置きの「PRO」シリーズでもグッドデザイン賞を受賞しております。

ボディ色は、初代から「EXPERT II」までは(オフィス)グレーまたはブラック。
「SUPER」以降はチタンブラックのみとなりました。(「Compact XVI」は規格上グレーですが、見た目はチタンブラックです。)
また「EXPERT II」から「XVI Compact」は正面のX68000ロゴが印刷から金バッジに、「X68030」では赤色のバッジになりました。

今回は、こんな洗礼されたデザインのX68000のケースを再利用したWindowsパソコンを作る計画です。

X68000 X68030
ACE PRO EXPERT PRO II EXPERT II SUPER XVI Compact XVI Compact
発売 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993
価格
(HDモデル)
369,000 319,000
(399,800)
356,000
(466,000)
356,000
(466,000)
298,000
(408,000)
338,000
(448,000)
348,000
(498,000)
368,000
(518,000)
298,000 398,000
(488,000)
388,000
(478,000)
概観 ツインタワー 横置き ツイン
タワー
横置き ツインタワー シングル
タワー
ツインタワー シングル
タワー
オフィスグレー or ブラック チタンブラック グレー チタンブラック
ロゴ プリント 金バッジ 赤バッジ
グッドデザイン賞 受賞 受賞 受賞     受賞   受賞 受賞    
メモリ 1M 2M 1M 2M 4M
CPU 日立HD68HC000(16Bit) モトローラMC68000(16Bit) モトローラMC68030(32Bit)
周波数 10MHz 16MHz 25MHz
FDD(2HD) 5.25インチ 3.5インチ 5.25インチ 3.5インチ
HDモデル 20MB 40MB 81MB 80MB
外部端子 SASI SCSI
発色数 最大65535色(PC-88は8色、PC-98は16色)
音源 FM音源8ch + AD-PCM1ch(PC-88,98はFM4ch)



 
 

 
 



 
ACE PRO EXPERT PRO II SUPER X68030 Compact
X6800 Icons Artworks by Penguin's Bar. Thanks a lot!


トップへ


「楽●天 フリマ」で「X68000」を探す